トレイトはクラス間でインターフェースとフィールドを共有するために使います。それらはJava 8のインターフェースと似ています。 クラスとオブジェクトはトレイトを継承することができますが、トレイトはインスタンス化ができません、したがってパラメータを持ちません。
トレイトを定義する
最小のトレイトはキーワード trait
と識別子だけというものです。
trait HairColor
トレイトはジェネリック型として、抽象メソッドとあわせて使うと特に便利です。
trait Iterator[A] {
def hasNext: Boolean
def next(): A
}
trait Iterator[A]
を継承することは A
型と、hasNext
と next
メソッドの実装を必要とします。
トレイトの使い方
トレイトを継承するには extends
キーワードを使います。その際に、 override
キーワードを利用しすべての抽象メンバーを実装します。
trait Iterator[A] {
def hasNext: Boolean
def next(): A
}
class IntIterator(to: Int) extends Iterator[Int] {
private var current = 0
override def hasNext: Boolean = current < to
override def next(): Int = {
if (hasNext) {
val t = current
current += 1
t
} else 0
}
}
val iterator = new IntIterator(10)
iterator.next() // returns 0
iterator.next() // returns 1
ここでの IntIterator
クラスは上限として引数 to
を取ります。
extends Iterator[Int]
は next
メソッドは Int を返さなければならないことを意味します。
サブタイピング
あるトレイトが必要とされている場所に、代りにそのトレイトのサブタイプを使うことができます。
import scala.collection.mutable.ArrayBuffer
trait Pet {
val name: String
}
class Cat(val name: String) extends Pet
class Dog(val name: String) extends Pet
val dog = new Dog("Harry")
val cat = new Cat("Sally")
val animals = ArrayBuffer.empty[Pet]
animals.append(dog)
animals.append(cat)
animals.foreach(pet => println(pet.name)) // Prints Harry Sally
trait Pet
が持つ抽象フィールド name
は、Cat と Dog のコンストラクタで実装されています。
最終行では、Pet
トレイトの全てのサブタイプの中で実装される必要がある pet.name
を呼んでいます。